2024/06/25更新 パソコンを選ぶときに最も参考にしたいものの一つにベンチマークスコアがあります。なぜならば、ベンチマークスコアを比較することでパソコンに搭載されているパーツのおおよその性能を簡単に確認することができるからです。
ここではベンチマークを確認する必要性と確認方法を紹介します。
ベンチマークスコアを確認する必要性とは
たとえばCPUの場合、性能を確認する項目にクロック周波数やコア数とスレッド数などと言ったのもがありますが、製造するメーカーや世代が異なると単純に性能を比較することができません。そこでCPUを同一のベンチマークソフトで計測してスコアを出し、得られたスコアを比較することでおおよその性能を確認することができるようになります。
CPUの他にはGPUやストレージ(SSDとHDD)と言ったパーツ単体やパソコン全体の性能をベンチマークスコアで確認することができますが、特にパソコン性能に大きくかかわるCPUとGPUのベンチマークスコアを確認することをおすすめします。
CPUは中央演算処理装置と呼ばれていて、プログラムの実行や処理を行っています。このCPUは頭脳などとも呼ばれていて、パソコン全体の性能に大きくかかわる重要なパーツです。
もしCPUの性能が低い場合には必然的にパソコン性能が低いと言うことになり、すでに出来上がっている製品(既製品)や受注生産のBTOパソコンを購入する場合にも注目する必要があるパーツとなります。
たとえばIntel製のCPUの場合、同じCore iシリーズでも型番により大きく性能が異なるため、一概に「Core i7であれば充分な性能」とは言えません。世代によっても性能は異なるため、後述するCINEBENCHやPassMarkなどのソフト(ベンチマークソフト)のベンチマークスコアを確認して比較することでおおよその性能が分かります。
また演算処理装置であるGPUはグラフィックス処理を行うパーツです。3Dゲームや動画編集などのソフトを使用する場合には必要なパーツとなり、CPUに内蔵されているGPU以上のグラフィックス処理を必要とする使用目的の場合には搭載することが前提となります。
このGPUもCPUと同様にベンチマークスコアを確認することでおおよその性能を簡単に確認することができます。
ベンチマークの種類
※参照:MAXON CINEBENCH
ベンチマークスコアはソフトを使用して確認しますが、種類は色々あります。
ベンチマークソフト | 性能を確認する対象 |
---|---|
PCMark 10 | パソコン全体 |
PassMark | CPU |
CINEBENCH R20 | CPU |
3DMark | GPU |
CrystalDiskMark | ストレージ(SSD、HDD) |
※詳しくは各ソフトの詳細を確認してください。
他にもベンチマークソフトはいろいろあるので、調べたい項目に合わせて選ぶことをおすすめします。
ベンチマークスコアを確認する方法
CPUのベンチマークスコアを確認する方法を紹介します。
2.「CPUベンチマーク」や「CPU性能確認」と言った項目が出るので表示する。
3.調べたいCPUの型番(製品名)のベンチマークの種類とスコアを確認する。
4.調べたスコアをもとに比較対象の性能を確認する。
※同じベンチマークソフトの結果を比べる必要があります。
注意点は情報が古くないことと、パソコンやパーツ購入時はいくつかのサイトで確認するかオリジナルのデータを確認することです。
CPUの性能を確認する具体例
たとえば私が以前使用していたパソコンのCPUは、少し古いIntel「Core i7-4770K」になります。また先日パーツ交換した別のパソコンには同時期に発売されたAMD「A10-6800K」を搭載していました。
パーツ交換したパソコンにはOSも新たに入れなおしましたが、かなりレスポンス(応答)が悪く、メモリ容量を増やしたもののCPUの交換時期にきているように感じました。そこでこれらの2つのCPUと現行のCPUの性能差を確認したかったので「PassMarkスコア」を確認しました。
CPUの型番 (製品名) |
PassMark スコア |
コア数 | スレッド数 | TDP | 定格 クロック |
最大 クロック |
---|---|---|---|---|---|---|
A10-6800K | 3,076 | 4 | 4 | 100W | 4.1 | 4.4 |
Core i7-4770K | 7,032 | 4 | 8 | 84W | 3.5 | 3.9 |
Core i3-10300 | 9,381 | 4 | 8 | 65W | 3.7 | 4.4 |
Core i5-10600K | 14,865 | 6 | 12 | 125W | 4.1 | 4.8 |
Core i7-10700K | 19,442 | 8 | 16 | 125W | 3.8 | 5.1 |
※PassMarkスコアはPassMark SOFT WAREのCPU Benchmarksを参照。
調べたPassMarkスコアから性能差を確認します。
比較するCPU | 性能の基準とするCPU | ||
---|---|---|---|
Core i3-10300 | Core i5-10600K | Core i7-10700K | |
A10-6800K | -67% | -79% | -84% |
Core i7-4770K | -25% | -53% | -63% |
Core i3-10300 | ― | -27% | -52% |
Core i5-10600K | +59% | ― | -24% |
Core i7-10700K | +100% | +31% | ― |
さすがに第10世代の「Core i7-10700K」と比較すると「A10-6800K」はCPUのパワー不足をはっきりと確認できます。第4世代の「Core i7-4770K」でさえ第10世代の「Core i7-10700K」と比較すると「37%」分の性能しか発揮できません。
この様に、同じベンチマークソフトを使用して得られたスコアを比較することで性能を確認することができます。
まとめ
パソコンの性能は主にCPUやGPUの性能に由来します。
そこでCPUやGPUの性能を客観的に確認できるベンチマークスコアを比較することがパソコンの性能を確認するときには有効です。
パソコンを購入するときやパーツを選ぶときは、ベンチマークスコアを比較すると性能差が良くわかるのでおすすめです。