【第3回】各パーツの購入についてパソコンの自作を実例をもとに紹介

2021/07/18公開 いざパソコンを自作するとき、使用目的を確認、パーツ選び、パーツの購入、パーツの組み立てとなります。ここでは私が実際にどのようにしてパソコンを自作するのかを使用目的の確認から詳しく紹介します。

【第2回】GPU選び~CPUグリス選びまでパソコンの自作を実例をもとに紹介(内部リンク)ではSTEP2のGPU選び~CPUグリス選びまで紹介しました。今回はSTEP3の購入について紹介します。

これからパソコンを自作してみようと思っている方や、パソコンの自作がどのようなものか興味のある方は参考にしていただければ幸いです。

STEP1~2までのおさらい

私がパソコンを自作するときの各STEP
STEP1 使用目的の確認
STEP2 パーツ選び
STEP3 購入
STEP4 組み立て
STEP5 起動確認と環境整備
前回までのおさらいとして、まずSTEP1の使用目的の確認では動画編集がメインであることを確認しました。動画編集で使用するパソコンは高い性能が求められることから、その他の使用目的に関して性能は満たすことになるとしました。続いてSTEP2のパーツ選びで主要なパーツであるCPUとGPUを選び、その後に残りのパーツを選びました。
新たに自作するパソコンの構成(予定)
パーツ 型番 価格(万円)
CPU AMD Ryzen 9 5950X 11
GPU MSI GeForce RTX 3080 VENTUS 3X 10G OC 17.4
MB ASUS ROG Crosshair VIII Formula 6.8
メモリ G.Skill TridentZ Neo F4-3800C18D-64GTZN 5.2
ストレージ Samsung SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/IT 2.5
ストレージ Samsung SSD 980 PRO MZ-V8P2T0B/IT 4.8
ストレージ SEAGATE ST8000DM004 BarraCuda-8TB 1.7
電源ユニット ANTEC NE850 Platinum 2
CPUクーラー DEEPCOOL AS500 R-AS500-BKNLMN-G 0.7
PCケース LIAN LI Lancool-215 0.7
BD Pioneer BDR-212JBK 1.5
OS Windows10 Pro DSP 1.6
CPUグリス Thermalright TF4 0.1
合計 56.0

50万円程度の予算を予定していましたが、60万円に迫る予算になりそうです。そこでSTEP3の購入時に各パーツの価格を意識しながら進めていくことにしました。

STEP3 購入

ストレージで予定していたSEAGATE ST8000DM004 BarraCuda-8TBが予算の都合上後回しとなり、現在使用しているパソコンの予備として購入していた未開封のWD 4TB HDDを場合によっては使用することとしました。

各パーツの価格は価格.comの最安値ではなく自分が実際に購入するイメージで価格を確認したものだったので、構成に変更がない限り60万円を超えることは無いはずです。

ではどうしてHDDの購入が後回しになったのか、また予定していたGPUが変更になったのかも含めてSTEP3の購入から紹介します。

購入する店舗選び

※前回紹介を忘れてしまいましたがOSはWindows10 Pro DSPを候補としています。

前回の自作では地元にあるパーツを扱っていたパソコンショップですべてのパーツを注文し、お店に全てのパーツが届いてから連絡を受けて取りに行き初期不良を2週間ほどもらって組み立てと起動確認を行いました。

初期不良は通常1週間程度ですがお店にはじめての自作であることを伝えると2週間に期間を延ばしてくれて、さらに組み立てが困難な場合には無償で組み立てを行ってくれることになりました。

今回は3回目の自作であるため組み立てそのものには不安はないものの、自作紹介用の写真を撮りながらの作業となるため通常の1週間程度は欲しいと思いました。そこでまず前回お世話になった地元のパソコンショップに行くことにしました。

ただし今回は60万円以下に抑えたいことから、合わせて別の都市部にあるパソコンショップにも見積りをもらう予定でした。予算の範囲内であれば地元のパソコンショップにお世話になるつもりでしたが、都市部のパソコンショップとの価格差が大きい場合には都市部のパソコンショップでの購入もやむなしとの思いでした。

ところがいざ地元のパソコンショップ行ってみるとお店のレイアウトが変更されています。1か月程前にも別件で来店していますが、以前はパーツを並べてあるコーナーがありましたがレイアウトの変更後には申し訳程度にパーツが置いてある状態だったので正直嫌な予感がしました。

地元のパソコンショップの方針転換
お店の方に話を聞くとパーツは売るためと言うよりはお店の会員向けに置いてあり、置いてある限られたパーツから会員の要望に応じてパソコンを組み立てたりすることにしたそうです。
一応事情を説明しましたが、断られたと言うよりは方針転換により可能なのはこのくらいですと渡した購入予定の構成に一部の価格を入れてくれました。
結局は地元のパソコンショップでの購入は難しいとのことだったため私も購入に関しての方針転換を迫られることになりました。
こうなったら都市部のパソコンショップに連絡するしかありません。できれば来店して店員さんと話もしたいのですがコロナの状況下では都市部に行くことは避けたいところでした。
そこで利用したことはなかったのですがネットでの情報を集めるときにお世話になっていた大手パソコンショップの通販サイトに電話で問い合わせをしてみました。
大手パソコンショップの通販サイトに問い合わせた内容
・自作に必要なパーツをまとめて購入したい。
・まとめて購入するので値引きをしてくれたらうれしい。
・初期不良の関係ですべてまとめて発送してもらいたい。

結果は要望に応えられないとのことで、サイトに掲載しているパーツは購入することはもちろん可能ですがパーツの取り寄せはできないとの回答でした。ただし各店舗では応えられるかもしれないし、応えられないかもしれないとのことだったので今度は店舗に電話をすることにしました。

追加で店舗に問い合わせた内容
・来店は避けたい。
・取り寄せが難しいパーツは代案を伝えてもらえれば検討したい。
できる限り近場の店舗にしようと思い隣の県にある店舗に電話したのですが結局回答は同じでした。別の大手パソコンショップにも問い合わせるか悩みながらサイトを確認しましたが、Q&Aなどでは掲載されている商品を購入するだけしかできないとのことでした。
これで購入に関しては完全に方針転換をする必要がでました。
どうしてまとめて購入したいと思ったのか
初期不良の定義にもよると思いますが、私は組み立てて使用できなかったパーツが初期不良のパーツだと思っています。
もちろん相性問題で動かなかったパーツとの区別は難しいかもしれませんが、今回のように相性がほぼ確認できている場合には使用できなければ(起動しなければ)それは相性問題では無く初期不良であるもしくは初期不良の可能性がかなり高いと思います。
初期不良は滅多に起こらないと思っていますが、パーツは高価なものであるため買い直すとなるとかなりの出費が発生してしまいます。
さらに私の様にパーツ単体で届いても初期不良の確認ができないもしくは厳しい場合には外観確認くらいしかできなくなってしまいます。
一応製品としての保証は少なからずあるはずなので最悪交換はしてくれるとは思いますが、大手パソコンショップの通販サイトには初期不良などに関する保険のようなものもあり、実際はかなり面倒なことになりそうな感じがします。
そこで一度にすべてのパーツを届けてもらえれば遅くとも2日あれば組み立ては充分に終了して初期不良の期間内に起動確認を行うことができるからまとめて購入したいと思っていました。
さてどうしたものか。悩んでいても仕方がないので、初期不良に対応できるようにするための方法を考えることにしました。
初期不良に対応できるようにするための購入方法案
・すべてのパーツを価格.comに掲載されているショップから注文する。
・遠方ではなく近隣の県から配送されるようにする。
まず価格を確認するときに参考にした価格.comに掲載されているショップから注文することで予算内に収まるように注意します。また遠方からの発送の場合には1日程度到着が遅くなるため、近隣の県から届くようにすることでほぼ同じ日にすべてのパーツが届くのではないかと考えました。パーツが届けば2日かからずに起動確認まではできるので何とか初期不良の期間以内に終了すると言う案です。
しかしここで問題があります。今回の自作では写真を撮りながら進めるため集中しても2~3日間は時間が欲しいところです。ところが私自身の連休はまだ先です。このまま通販サイト注文しても1週間以内に起動確認が終了するまでの時間と体力は私にはありません。
結局初期不良の確認は外観確認だけとしました。
パーツで注意が必要になるのはCPUとGPUです。過去にHDDを通販サイトで注文して1台物理的に故障していたことがありました。運送上のことなのかは不明ですが、衝撃に弱いHDDは包装に注意が必要になるパーツだと思っていますが箱を開けてみると緩衝材もなく、ビニールフィルムで固定されているだけでした。
届いたHDDの中から音がした
HDDは構造上衝撃に弱い製品です。
以前通販サイトで購入して届いたときに箱の中を開けると緩衝材は無く、薄い段ボールにビニールフィルムで固定されているだけでした。ずいぶん簡易的な包装だと思いましたが、いざHDDを取り出すと中から音がします。
ヘッドが外れているのか?と思いましたがパソコンに取り付けると認識しませんでした。事情を説明して交換となりましたが、それ以降同じ通販サイトで衝撃に弱い製品の購入は控えています。
HDDはそれほど高価なパーツではありませんが、CPUとGPUは高価なパーツです。CPUは裏面の部分(ランドや信号ピンと呼ばれているらしい)は物理的な力に弱いため梱包されている箱が潰れたりすると壊れる可能性があります。またGPUは精密部品の集合体のようなものなので衝撃には弱いはずです。
そこで特にCPUとGPUは私が信頼できると思ったお店から購入することにしました。
方針転換したパーツの購入方法
・通販サイトで購入する。
・CPUとGPUは特に信頼できると思ったお店から購入する。
・初期不良では外観確認のみとする。

通販サイトでパーツを購入

はじめに在庫が気になるCPUとGPUを購入することにしました。価格を抑える関係とまとめ買いに意味が無くなったことから個々のパーツを注文しようとしました。そこでまずCPUの購入先を検討しました。

価格.comより掲載されているショップを確認すると並行輸入品であったり代引き手数料が高いショップもあります。今回は私情によりクレジットカードは極力使用したくなかったため代引きでの購入を前提としていたので、日本国内正規品保証のついているCPUを代引き手数料のかからないショップから購入しました。

CPUの購入金額
・CPU AMD Ryzen 9 5950Xの購入金額は99,800円

次はGPUです。お目当てのMSI GeForce RTX 3080 VENTUS 3X 10G OCを探しますがやはり掲載されていません。そこで他のパーツも含めてどこか1つのショップで購入できないか調べてみました。まとめ買いする価格的なメリットはありませんが、お客様情報の入力の手間と個人情報漏洩のリスクも減らすことができると考えました。

そこであるショップに行きつくことになります。

PCケースの在庫は無いものの他のパーツはほぼ揃います。またそのショップは購入金額の約10%がポイントとして付与されるので結果として購入金額は高くはないと判断しました。GPUはASUS TUF-RTX3080-O10G-GAMINGとなりますが、ASUSのGPUももともと興味があったので良しとします。

そこですぐには必要の無いHDDをあとで付与されるポイントを使用して購入することとし、ショップに在庫の無いPCケース以外をまとめて購入することにしました。

まとめて購入したパーツの購入金額
・GPU他まとめて購入したパーツの購入金額は479,150円
PCケースはクレジットカードを使用していつも利用している大手通販サイトで購入しました。他のPCケースも検討しましたがやはり組み立てが楽そうでかつ冷却性能も良さそうなLIAN LI Lancool-215に興味があります。
PCケースの購入金額
・LIAN LI Lancool-215の購入金額は6,655円
ただし実際の価格は8,444円でしたが1,789円分のポイントを使用して購入しています。
みなさんどのようにパーツを購入しているのでしょうか
自作する方にとっては大きなイベントであるメイン機の更新ですがパーツの購入は大変でした。みなさんはどのようにパーツを購入しているのか疑問です。
ネットでは自作代行系のショップにお願いすることで動作確認のとれているパソコンが届くと言うことも目にしましたが、私としては組み立ても楽しいので今回の方法をとりました。

購入金額の合計

新たに自作するパソコンの構成と購入金額
パーツ 型番 予定購入価格
(万円)
実際の購入金額
(万円)
CPU AMD Ryzen 9 5950X 11 9.98
GPU ASUS TUF-RTX3080-O10G-GAMING 17.4 18.93
MB ASUS ROG Crosshair VIII Formula 6.8 7.558
メモリ G.Skill TridentZ Neo F4-3600C18D-64GTZN 5.2 6.432
ストレージ Samsung SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/IT 2.5 2.78
ストレージ Samsung SSD 980 PRO MZ-V8P2T0B/IT 4.8 5.332
ストレージ SEAGATE ST8000DM004 BarraCuda-8TB 1.7 0
電源ユニット ANTEC NE850 Platinum 2 2.086
CPUクーラー DEEPCOOL AS500 R-AS500-BKNLMN-G 0.7 0.592
PCケース LIAN LI Lancool-215 0.7 0.6655
BD Pioneer BDR-212JBK 1.5 1.571
OS Windows10 Pro 1.6 2.838
CPUグリス Thermalright TF4 0.1 0.078
合計 56 58.8425
赤文字が構成に変更があったパーツです。
HDD以外のパーツを購入後にポイントが47,805円分付与されたのでSEAGATE ST8000DM004 BarraCuda-8TBを1台購入してもポイントは半分以上残ります。これで一応60万円以内に抑えることができました。
OSはDSP版で良かったのですがショップで扱っていなく、他のショップも検討しましたが諸事情により断念しました。DSP版とはパーツを購入するときに合わせて購入できるOSでパッケージ版とはライセンスが異なります。パソコン購入時に入っているOSはOEM版で購入したパソコンに対してOSの使用が可能になっているもので、DSP版はOEM版とライセンス的にはあまり変わりはないはずです。
別のショップでDSP版を購入しようとしたら
あるショップでパーツと合わせてOSのDSP版を購入しようとしてお客様情報を入力していたらエラーが出ました。良く見るとメールアドレスが既に登録されているとのことで、思い起こせば以前CPUを購入した記憶がありました。
少し考えましたが無かったこととしてポイントの付与されるショップでほとんどのパーツを購入することにしました。

STEP3 購入のまとめ

一部構成が変更になりましたが無事購入を終え、現在ではパーツもすべて届きました。とりあえず外観上に異常はなく、あとはSTEP4の組み立て後、STEP5の起動確認と環境整備のときに問題が無かったかはっきりします。

またまとめてパーツを購入したショップは届け日の指定ができるようで、初期不良を考慮する場合には上手く利用すると良いようです。

今回は事前に写真も撮る予定だったので結果的にはこれでよかったと思っていますが、通常自作の場合には届け日を上手く指定して一気に起動確認まで行うことをおすすめします。

次回はSTEP4の組み立てを紹介する予定です。3連休があるのでそのタイミングで写真を撮りながら組み立てて紹介できるようにしたいと思っています。

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