2020/12/04公開 パソコンのパーツに使用されている部品に「コンデンサ」があります。
ここでは「コンデンサ」の寿命について考えるときの指標となる「アレニウスの法則」について紹介します。
アレニウスの法則
アレニウスの法則は「10℃2倍則」とも呼ばれていて、「使用温度が10℃上がれば寿命が2分の1になる」または「使用温度が10℃下がれば寿命が2倍になる」とする経験則とのことです。
参考(外部リンク)
たとえば「最高使用温度105℃/寿命1,000時間」のコンデンサの寿命は、105℃で使用すれば1,000時間(24時間稼働で約42日)ですが、95℃で使用すれば寿命は2倍の2,000時間となります。
このアレニウスの法則を基に考えると、パソコンケース内の温度を冷やすことがコンデンサの寿命を伸ばすことにつながり、パソコンの寿命を伸ばすことにもつながることが分かります。
コンデンサの寿命はどのくらいになるのか
一般的にパソコンに使用されているコンデンサは、最高使用温度が「105℃」「85℃」の2種類があると言われています。
アレニウスの法則を基に計算した結果が下の表になります。
コンデンサ | 使用温度 | 稼働時間 | 寿命 |
---|---|---|---|
最高使用温度 105℃
寿命 1,000時間 |
75℃ | 24時間 | 約0.9年 |
12時間 | 約1.8年 | ||
6時間 | 約3.6年 | ||
65℃ | 24時間 | 約1.8年 | |
12時間 | 約3.6年 | ||
6時間 | 約7.3年 | ||
最高使用温度 85℃
寿命 1,000時間 |
75℃ | 24時間 | 約0.2年 |
12時間 | 約0.5年 | ||
6時間 | 約0.9年 | ||
65℃ | 24時間 | 約0.5年 | |
12時間 | 約0.9年 | ||
6時間 | 約1.8年 |
※「稼働時間」は一日あたりです。
実際の使用温度は使用環境によりますが、「85℃」のコンデンサの寿命はかなり短いことが分かります。
コンデンサが使用されているパーツ
コンデンサが使用されているパーツには「マザーボード」「電源ユニット」「グラフィックボード」があります。
これらのパーツ温度を低く抑えることがパソコンの寿命を伸ばすことにつながるため、熱対策が重要となります。
熱対策の重要性
パソコンは少なからず熱対策が施されていますが、発熱による性能低下を防ぐとともに故障や劣化を防ぐためです。
熱対策が充分でない場合はコンデンサの温度も上がってしまうため、結果的にパソコンの寿命が短くなってしまいます。
熱対策が充分でない場合はコンデンサの温度も上がってしまうため、結果的にパソコンの寿命が短くなってしまいます。
まとめ
アレニウスの法則から、コンデンサの温度上昇を抑えることが寿命を伸ばすことにつながります。
パソコン購入時にスペックを調べてもなかなか「どのコンデンサを使用しているか」までは確認することが難しいですが、メーカーによっては使用するコンデンサのグレードが決まっていることもあります。
熱対策を意識したパソコン選びやパソコンの使用が求められます。
参考(内部リンク)
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