パソコンの知識 ノートパソコンのバッテリーを長持ちさせる方法
ノートパソコンのACアダプタを接続したままにするとバッテリの劣化が早まります

2021/02/10更新 ノートパソコンにはバッテリが搭載されていますが、2~3年程度で寿命となると言われています。しかしパソコンの寿命としては5年程度であることから、少しでもバッテリを長持ちさせることが求められます。

ではどのようにしてバッテリを長持ちさせれば良いのでしょうか。

ここではパソコンやスマートフォンなどにバッテリとして広く利用されているリチウムイオン電池についての事例や具体的な長持ちさせる方法を紹介します。

バッテリの寿命に違いが出た

もともと家族が使用していたノートパソコンが2台ありました。7年前に購入したノートパソコンはACアダプタを使用しなくても短時間であればバッテリの電力でパソコンを使用することができましたが、別のノートパソコンは3年程度でバッテリが寿命となり、コンセントが無いところでの使用ができなくなりました。

当たり外れの問題も考えましたが、いずれも国内大手メーカー製のものであるため疑問が残ります。

ノートパソコンにとってバッテリはコンセントが無いところでも使用できると言うメリットを生み出しています。ところが、バッテリが使用できなくなってしまうとそのメリットが失われてしまいます。

では、どうして7年前に購入したノートパソコンのバッテリは使用できたのでしょうか。

そこでまずバッテリについて調べてみました。

バッテリがリチウムイオン電池の場合

現在ノートパソコンやスマートフォンなどで広く利用されているバッテリはリチウムイオン電池です。

このリチウムイオンも特徴注意点があります。

リチウムイオン電池の特徴
・メモリ効果が無い

リチウムイオン電池が登場する前、ニッカド電池やニッケル水素電池などが搭載されていたようです。ニッカド電池はメモリ効果と呼ばれている現象が起こるため、「電池を使い切ってフル充電するとよい」と言うように私も覚えていました。

メモリー効果とは、電池を使い切らずに、充電池の容量がある状態で充放電(継ぎ足し充電)を繰り返すと、充電池を使用中に、充電を繰り返した付近で電池電圧が一時的に低下し、機器が止まったりする現象です。

メモリ効果の無いリチウムイオン電池は継ぎ足し充電を行っても問題が無く、電池を使い切る必要もないと言うことになります。
またリチウムイオン電池は使用上の注意点があるようです。
リチウムイオン電池の使用上の注意点
・過放電(完全放電)はダメ
・過充電(満充電)は良くない
・使用最高温度は45℃
・充電中の長時間使用は控える
ニッカド電池などでは電池を使い切ってフル充電をすることがメモリ効果の対策でした。しかしリチウムイオン電池はメモリ効果が無いため電池を使い切る必要が無く、逆に過放電(完全放電)を行ってしまうとバッテリの寿命を縮めてしまうようです。
また過充電(満充電)も良くないようで、20~80%の範囲で使用することが望まれるようです。
また使用最高温度は45℃であるようで、AppleのサイトにはMacBookの最適な温度範囲として『MacBookは、周囲温度が10℃〜35℃の環境下で最も良く動作します。』とあり、言い換えれば人が生活する環境の温度(室温)で使用することが望ましいとも言えます。
さらに充電と放電を同時に行うと発熱が高くなるため、充電中に長時間の使用は控えた方が良いとのことです。
充電中の長時間の使用について
充電時に機器で使用する電力をどこから供給するのかがポイントになるはずです。
スマートフォンはバッテリに充電しながらバッテリから電力が供給されているとすると、充電中の使用はバッテリに負担がかかることになります。
ノートパソコンは充電中でもACアダプタからの電力供給であれば充放電(充電と放電)を行うことにはならないため、発熱が高くなることは無いと考えられます。

具体的な使用方法を探る

2台あったノートパソコンはそれぞれ使用者が異なっていたため、使用方法にも違いがありました。

バッテリが直ぐに寿命を迎えたノートパソコンの使用方法
・常にACアダプタを接続していた
・使用頻度はほぼ毎日30分~1時間程度
バッテリが少し生きているノートパソコンの使用方法
・パソコン使用時にACアダプタを接続して、使用後は外していた
・使用頻度は月1回30分程度
常にACアダプタを接続していたノートパソコンは居間に置いてあったのでよく目についていましたが、こまめに充電中のランプが点灯していました。これは自然放電などでバッテリの残量が減ったときに直ぐに充電されていたことを示していて、使用時も含めてバッテリが常に満充電(100%)に近い状態であったことが分かります。
使用上の注意点にあった通り、過充電(満充電)はあまりよくないとのことです。過放電(完全放電)よりはマシなようですがバッテリの劣化を早めてしまうようで、この常にACアダプタを接続していたことがバッテリの劣化を早めた大きな要因として考えられます。
次に使用時のみACアダプタを接続していたノートパソコンは、使用頻度が少ないものの過充電(満充電)状態が長く続いていなかったことが想像できます。
また、どちらのノートパソコンも部屋に置いていたことから極端に使用温度が上がってはいなかったと思われます。
そこで新たに購入したノートパソコンの使用方法を見直しました。
新たなノートパソコンの使用方法
・使用時はバッテリの残量を確認して20%を切るようならACアダプタを接続する
バッテリの残量表示
バッテリの残量表示

一般的に、パソコン画面の左下(タスクバーの左)にバッテリの残量表示があります。バッテリの残量が少なくなると設定によりますが、省電力モードとなることで画面が暗くなったり、バッテリの色が赤に変わったりします。

ノートパソコンの使用者には、このバッテリの残量表示が20%を切るようならACアダプタを接続するようにお願いしました。

バッテリの残量表示をクリックしたところ
バッテリの残量表示をクリックしたところ

新たに購入したノートパソコンはバッテリの残量表示をクリックすると画像のように残り使用可能時間と残量%が表示されました。

Windowsでのバッテリ設定
Windowsでのバッテリ設定

またWindows OSにもバッテリに関する設定がありますが使用者に頼るものであるため、あまり効果が見込めないように思います。私はバッテリ節約機能が働く値をデフォルト(初期設定)の20%から30%にしました。※注意喚起を早めに行うための変更で、あまり意味はないと思います。

パソコンによっては製造メーカーがバッテリを長持ちさせるためのソフト(アプリ)が入っている場合もあります。詳しくは取扱説明書などで確認してください。

おすすめの使用方法

最後におすすめの使用方法を紹介します。

バッテリを外して使用できるノートパソコンの場合
・コンセントがある場所では、バッテリを外してACアダプタを接続する
・バッテリ残量は原則として20~80%で使用する
・外出先にコンセントが無い場合には100%充電をする
・バッテリの使用が無いときには、50%程度の残量で外して保管する
・バッテリが劣化したら一度0%にしてから100%にしてみる
・ノートパソコンを夏場の車内などの高温になるところには置かない
バッテリを外して使用できないノートパソコンの場合
・バッテリ残量は原則として20~80%で使用する
・外出先にコンセントが無い場合には100%充電をする
・バッテリが劣化したら一度0%にしてから100%にしてみる
・ノートパソコンを夏場の車内などの高温になるところには置かない
バッテリを長持ちさせるポイント
・バッテリ残量は原則として20~80%で使用する
・パソコン使用後には必ずACアダプタを外す
・過放電(完全放電)は行わないようにする
・夏場の車内などの高温になるところにパソコンを置かない
ノートパソコンのメリットであるバッテリが使用できなくなることは避けたいことです。ですが、バッテリには寿命があるためできる限り劣化をさせない使用方法が望まれます。他にもスマートフォンや電動工具などに使用されているリチウムイオン電池はバッテリの性質として考えると同じであるため、紹介したことを参考にしてもらえれば今までよりバッテリが長持ちすると思います。
ぜひ参考にしてバッテリを長持ちさせてください。
合わせて読みたいパソコンの知識(内部リンク)
おすすめの記事